| 乳酸菌歯みがきが歯周病に著効
ゆほびか6月号(111−133頁) (医師、歯科医師:今井龍弥)
普通下痢性の大腸炎は嫌気性菌によって起こされるが、これは乳酸菌や酪酸菌で作られた整腸剤で治療されている。歯周病も嫌気性菌が起こした腐敗現象と考えられことからこの治療法が考えだされた。市販の整腸剤や生きた乳酸菌を含むヨーグルトで歯磨きをすると明らかな改善効果があり、9割近くが治癒している。また、乳酸菌歯みがきは歯肉出血や、口臭にも著効がある。東海大学の古賀泰裕教授も「乳酸菌が歯周病菌を完璧に殺し虫歯の発生もおさえる」ことを報告している。他色々の効果のある治験例が報告されているが、確かにこの治療法は良いアイデアであり安全、かつ安価でありるので試してみる価値があると思う。なお、詳しい方法は本誌以外にも、マキノ出版から今井龍弥著「驚異の乳酸菌歯みがき」と題して単行本が出版されているので一読されることをお薦めする。三田ハウス歯科クリニックでもビオフェルミン粉末を利用した口臭防止の著効例を経験している。粉末を歯に塗りつけておいて、後は飲み込むだけでよい結果が得られている。
「遺伝子診断ビジネスのでたらめ」 文芸春秋 4月号 182頁 中村祐輔先生(東京大学医科学研究所教授・ヒトゲノム解析センター長)
要約:「遺伝子検査が可能にした二十一世紀の予防医学!遺伝病は勿論、ガン、糖尿病などの発症リスクが予防可能です。」..これは遺伝医学の研究者である私からみると、トンでもないインチキな宣伝文句です。どこも最新のゲノム研究を活用しているように宣伝していますが、その実態は遺伝医学を学んだこともない医師や技術者が、意味も分からないままにデータを出しているに過ぎません。その多くは商業主義的な開業医と検査が医者が結託して金儲けを目的に行っているものです。
病気の原因となる遺伝子には大きく分けて「危険因子」と「決定因子」があります。危険因子は通常の病気になる可能性を1・2倍から5倍程度引き上げる遺伝子のことです。例えばアルツハイマー病の場合通常で2,3%の人が病気になります。これが2倍になっても5%の発病率と言うことになり、あまり問題になりません。病気ごとに「危険因子」はいくつか存在していると考えられています。例えば糖尿病には20種類有ると言われています。現在アルツハイマー病の「危険因子」は1種類しか見つかっていませんので、それが見つかったといって絶望する必要はないわけです。ただ遺伝性の若年者に発症するガンなどには20種類近くの「決定因子」が発見されています。残念ながらこの方達は80−100%発病します。人は誰でも平均5−7個の病気に関する遺伝子を持っていると言われています。人の遺伝情報を扱い、診断することは秘密を厳守することの出来る医療機関に限定されるべきだと考えますが、日本ではその対応が遅れているのが現状です。
注−歯科界でも、歯周病などについて遺伝子診断の可能性が音沙汰されているが、「危険因子」らしいものがあるというところまでしか研究が進んでない。難治性の歯周症を診るにつけ、これは体質だとか言ったりして逃げているが、早い研究の進展は望まれないものか。「危険因子」はそんなに怖いものではないと知った今、そして、遺伝子診断の現状を知った今、目を開かれた思いをしたのは私だけではないと思う。
「再発性口内炎の鍼灸療法」 日経新聞(夕刊) 2001,03,12 石野尚吾先生(北里研究所東洋医学総合研究所)
副題−口内炎、再発が特徴 口元や背中に効果
口内炎の多くは原因がよく分かりません。他の病気を合併せずに繰り返すのが特徴です。病気というより粘膜が弱い体質といえます。体質改善は鍼灸の得意なもののひとつです。全身療法の他に、口元の横の地倉(ちそう)というツボにはりを打ちます。このツボを刺激すると痛みや荒れが軽減します。背中の胃ゆは内蔵機能を整えるツボ。根気よく刺激して口内炎を繰り返しにくくなるよう努めます。また、合谷や手の三里などのツボを組み合わせると、さらに効果的です。
注−若い頃1ヶ月大学病院に入院しても治らなかった腎出血が、1回の漢方薬服用で治ったことがある。西洋医学で治らないときには、東洋医学の治療も受けてみよう。
「歯周病」 日経新聞(夕刊) 2001,03,12 西山彰彦氏
副題ー再生力生かし組織復活−予防には歯磨き徹底−遺伝子で発症予測研究も
四十歳を越えると殆どの人が罹る歯周病(歯槽膿漏)。ひどくなると、歯を支える骨などが破壊され、歯を抜く原因となる。破壊された歯周組織はこれまで元に戻らなかったが、手術法によっては或る程度復活させることが可能になってきた。それが歯周組織再生誘導(GTR)法と言われ、旧厚生省により高度先進医療として認定されて、大学病院などで行われている。費用は1本あたり5−6万円、手術後6ヶ月から9ヶ月で骨が再生してくる。
注−記事では、別にGTR法の簡単な図解とGTR法を実施している大学病院が紹介されているが、一般開業医でも、先進的な歯科医は歯周症の治療やインプラントを植える場所を作るためなどに本法を実施している。ただ、吸収された歯槽骨が完全に元のようになるわけでもなく、高価であり、一度入れた人工の膜を取り出すため何ヶ月か後で二次手術を要することや、適応症が少ないことなどから、「労多くして功少ない」治療法と認識され、あまり積極的に患者に薦められない手術法となっている。
「三大奇病;アトピー・拒食症・顎関節症」 文芸春秋 2001年4月号 280頁 宮田親平氏
副題−「こころ」を診る医療で、苦しむ女性達を救え
文明病としてアトピー、心因性の現代病の代表として拒食症、過食症、過敏性腸症候群などがあげられ、顎関節症にも心因性のものが多いことが説明されている。顎関節症は虫歯、歯周症に次ぐ「第三の歯科疾患」と呼ばれているが、患者は女性が男性の三倍。顎の関節と咀嚼のための筋肉に異常がある上、ストレスが働いて、そこに許容範囲を超える負担が掛かると症状が出ると考えられ、主として歯科で噛み合わせや、顎の関節の治療が行われているが、最近は単なるストレスとは違う精神的な要因があるのではないかと考える医師が現れている。東京医科歯科大学では北里大学医学部精神科の応援を得て、歯科医と精神科医が同時に患者を診る連携治療が行われて効果を上げている。噛み合わせの調整を受けてさらに痛みがひどくなった或る主婦は、抗不安剤の服用と精神療法により約半年で症状が軽くなっている。顎関節症の患者は、心気症の他、めまいや頭痛などの多彩な症状を訴える人、また明らかな顎の症状はなく、不定愁訴で受診する人も多い。こうした患者には、体と心の両面の診断が必要とされている。 なぜこうした病気が女性に多く起こるのか。或る専門家は、女性の社会進出の中、上手く適応できなくなっている人に心身症として発症するのではないかと言っている。体だけを診て心を十分に診ようとしなかったこれまでの医療の欠陥が現れている友言えそうだ。
注−人の体は無機的な精密機械ではない。その時置かれた状況や、環境に自分の体を合わせていく有機的な調整機能を持っている。中年太りしたとき顎がみしみしいって適合していくのを感じたことがある。また、歳取ると背が縮む様に顎も小さくなってくる。噛み合わせも当然変わってくるわけで、それでよいと思っている。物を噛みしめるのは、一日の何十分の一でしかない。常時噛みしめてみて、あちらが高い、こちらが低いと歯医者に通うのはやはり心身症としか思えないことがある。自分を心身症とは思いたくないだろうが、あり地獄にはまってだれかの餌食になってしまわないようにご注意したい。
「フッ素と虫歯」:今様養生訓 日経新聞 平成13年2月26日号:4頁:編集委員 中村雅美氏
副題−近づく水道水への添加 分かりやすい啓蒙的な記事
口の中では歯の石灰質の溶出と沈着が繰り返されている。フッ素は溶出(脱灰)後の再沈着(石灰化)を促進する。米国では1945年から水道水のフッ素化が進められており、現在一億五千万人が飲んでいる。世界保健機関(WHO)も69年に水道水のフッ素化を勧告しており、現在38カ国で実施されている。日本では71年宝塚市での斑状歯訴訟に見られるように反対意見が多かったが、最近風向きが変わりつつある。
昨年11月にはこれまで慎重だった旧厚生省も、地元住民の合意を条件に、水道水の水質基準内(0.8ppm以下)での水道水への添加を認めている。厚生労働省も研究班をもうけて、フッ素の適正添加量などの検討に入っている。
注−私の考えでは、日本ではまだまだ水道水のフッ素化は出来ないだろうと思う。一部に残る根強い反対意見(骨の化骨障害、発ガン性)などは残るだろうし、危険を恐れ、無難な道を歩もうとする、施政者の傾向は今後も続くと思われるからだ。一方、水道水に使えないということで、各種の虫歯予防法や、治療法はめざましく進歩してきているし、母親や個人の予防意識が大きく向上し、実際の虫歯発生率が相当少なくなって来たのも事実。ただ、世の中には”虫歯IQ”がめっぽう低い人々が居るのも事実。 さて、貴方はどうですか? 取り敢えず、甘い食べ物は少なくして、フッ素入りの歯磨きで、歯を磨きましょう。
「口の中もケア 心身ともすっきり」:元気のためにブラッシング 日経新聞 平成13年2月11日号:27頁
高齢者の口腔ケアの重要性が注目されている。臨床に携わっている歯科医師、大学教授、歯科医師会などに取材してその重要性を説いている。誤えん性肺炎などの予防や、痴呆の改善、老人の生活の質の向上などのためにも「口腔ケアプラン」は必要と言える。記事の中に実際に「家庭で出来る口腔ケアの手順」が表示されているので、紹介させていただく。
1.姿勢:いすに座らせるなどして上半身を起きあがらせる。または横向きに寝てもらう。
2.準備:声をかけるなどして、リラックスさせる。義歯をしている場合は外す。
3.うがい:うがいをして食べかすを除く。うがいができない場合、水でぬらした柔らかい歯ブラシを使用。
4.ブラッシング:奥から手前に、ある程度力を入れて磨く。歯と歯茎の間、抜けた歯の間などは念入りに。奥に入れすぎると嘔吐することもあるので注意。義歯も歯ブラシで磨く。
5.歯以外のケア:歯ブラシなどで粘膜の汚れを落とす。舌の表面にはコケがついていることが多い。最後にうがい薬などで口腔をふくのも良い。
注意:表情を見ながら、注意して行うこと。すべて介助できない場合、毎食後必ずうがいするように。
「歯周病と糖尿病」:今様養生訓 日経新聞 平成13年2月5日号:4頁:編集委員 中村雅美氏
副題−互いに悪影響、症状進む− 出典は明らかでないが、啓蒙的で参考になる記事
歯周病は色々の全身疾患と関連があると言われている。糖尿病、冠動脈性疾患、肺炎、気管支炎、胃炎、定体重児出産などとの関連が疑われている。特に糖尿病の場合には、30%前後の患者が口腔乾燥症になっていると言われている。唾液が少ないと、歯周病菌の繁殖しやすい環境になり、歯周病を進行さすことになる。また歯周病になると、その産生する様々なサイトカインが血糖のコントロールを阻害して糖尿病を悪化させることになる。そして免疫力が低下して歯周病がさらに悪くなると言う悪循環に陥る。どこかでこの悪循環を絶てば、その症状は改善されることが多いという。
注−歯茎全体が炎症を起こして腫れているばあい、その一部を歯槽膿漏手術で改善すると、何もしなかった場所まで良くなってくることがある。手術創を治そうとする細胞や血液の力が活性化され、その周辺の傷まで治してしまうのではないかと想像しているが、病気というものは様々な原因が複雑に絡まって起こってくるもので、下記の遺伝子的な要因なども大きいと思われる。単純に歯周病のみが悪者だとは考えず、一つの要因だと考えて慎重に治療を進めねばならない。
「歯周病」:病院最前線ガイド2000 週間文春 11月9日号137頁
副題−40歳の10人に8人が罹患する最多の国民病を洞減らす!歯茎や骨の再生治療が進歩、発病前のリスク診断で予防も強化−
新潟大学歯学部第2保存家の吉江弘正教授を訪ね、歯周症の症状、治療法、将来の展望を概説してある。簡単な血液検査で分かる遺伝子情報から、歯周病の発生リスクの高い人、生活習慣の影響の出やすい人などかなり予測できるとのこと、。目下テスト段階ではあるが、一般的な臨床応用も期待されることから、今後の早急な研究の進展が望まれる。各歯科大学の生化学分野の研究でも、分子生化学的研究、遺伝子分析もおこなわれている現在、実験室のみならず臨床と結びついた研究のさらなる進展に期待したい。
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「口や顔の不快感」 読売新聞:2000年10月23日号:27頁:堀川真理子氏
口や顎の原因不明の不快症状の中には心理的なストレスなどが引き金になっている場合がある。その治療のために「口腔心療科や」「心療歯科」が注目されていることを紹介している。これは日常臨床に携わる我々も時々悩まされる問題で、自分の技量不足によるものなのか、患者のせいなのか考えさせられることが間々ある。この記事により、個人では治療に限度のある心身症の問題について、「日本歯科心身医学会」も発足しており、各大学でも対策を考え、具体的に対処していることを知ることができた。
著者堀川氏は前回も「口腔乾燥症」「ホルモン療法」などにつき示唆に富む記事を書かれていたが、今回も簡単な記事ながら、数大学に取材して、信頼性のある記事を出されている。尚、私見ではあるが治療法などで参考になるのは杉浦正己(日大)著:『歯科心身症の実際』1975,E.J.RYAN著『Psybiological Foundation In Dentistry』1946 などがあげられる。
「秋の健康特集:歯を守る最前線」サンデー毎日:2000年10月15日号:129頁:平野幸冶氏
貴重な6頁を費やして記載されている。内容は歯周病の予防と治療(ブラッシングが予防の第一歩、規則正しい生活が「歯」をまもる);抜く歯、残せる歯「分岐点」;進化を続けるインプラントに大別され、その間に別項で◆歯周病チェックポイント◆ブラッシングは正しい方法で◆名医はこうして探せ◆サラリーマンと虫歯などが載せられ、図解、写真も適当に挿入されて、読者の興味をそらさないよう上手な編集がされている。歯科医師としても一見の価値ある記事だと思う。惜しむらくはサイナスリフトについての記者の理解が今一歩というところだろうか。サイナスとは上顎洞のことで、骨移植の一般名ではない。
「むし歯」「いれ歯」にならない究極lの歯科医療:『週刊ポスト』9/15:
要するに3ヶ月ごとに歯科医院に行き、(むし歯にならないためにプロによる指導やメンテナンス)予防歯科医療を受けようと言うことでした。...これは究極と言うよりも、常識だと思うのですが、...。
「噛まない「メニュー」が「顎関節症」を起こす。『週間文春』9/7:
「肩こりがひどい、頭痛がする、顎がかくんと痛い_こんな症状が特徴の顎関節症が増えている。抜歯などのあと、肩凝りや頭痛がするときは、この病気を疑おう。が、根本的な原因は現代人の食生活にある。柔らかいものを食べすぎて、顎が退化したのだ」
名古屋大学上田実教授、東京医科歯科大学榎本昭二教授に取材し簡単な診断法から治療法まで記述してある。仮説や独断の多い民間療法の一段上を行く啓蒙的な記事と言える。
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